ブラピの映画『トロイ』

トロイ戦争ヲタとして
これまで細々と資料を集めて生きてきて
まさか21世紀になってから
改めて映画化されるとは思わなんだが
そうしてヲタを自認しつつも
劇場公開時には行きそびれるとも思わなんだ。(´д`;)ギャボ

しかも発売日を待ち望んでDVDを購入するも
パッケージも開けずに数ヵ月経過・・・

そしてようやく観るに至ったワケだが
いつまでもぐずぐずして乗り気ではなかったのは
原典とのズレが受け入れられぬのを
なんとなく予感してたからで
結果から言えば
その予感は残念ながら的中してた。(゚д゚lll)ギャボ

とはいえ
自分が目にした初のトロイ戦争映像化作品なので
ヲタとしてはそれだけで多少は贔屓目に観てしまったが
それにしたって全体的な感想としては
「ガッカリ」だったのは否めず

もちろん2時間ちょっとに詰め込むのには
無理がある内容だってのは
重々承知してるので
エピソードの盛り込みが手薄になるのは
物理的に仕方なかったと考慮すべきだったのだ

でもそれに合わせて
基本的な設定まで変えられてたら
違和感を抱かずにはおられず
そのために愛着のあるキャラクターが
粗略に扱われて本領発揮できずにいたりしたら
そりゃあもう憤懣遣る方無いってモノで
違和感ドコロか反感さえ持った次第

はっきり言って
パリスもパトロクロスも酷過ぎて
見るに耐えなかった(゚*゚;)

いや、見映えは良かっただけに
役ドコロがお粗末過ぎて
見るに忍びなかった、が正しい!

これまでに自分が彼らに惹かれた部分が
微塵も反映されておらず
まるでただのバカみたいだったw

特にパリスは無類のダメ人間設定で
恐らく観てる人の殆どが
そんなパリスを腹立たしく感じてただろうが
そんなパリスを捏造してるコトにこそ
自分は腹が立ったね

逆にオデュッセウスやアキレウスは
゚+.(・∀・)゚+.゚イイ人に描かれ過ぎてしまってて
奸智に長けたオデュッセウスだのに
奸計からすっかり毒気が抜けてしまって
賢者みたいになってるし
キレやすくて駄々っ子でマザコンのアキレウスも
妙に貫禄があって落ち着いてて
別人のようだが誰得?

確かにアキレウスは主役なので
あくまでもカッコよくなくてはってので
誰得ったらブラピファン得かwww

それにしたって
主人公は死なず、なのでか
トロイの木馬に入る場面まで生き延びるとか
物語の整合性を乱しまくってるし・・・

唯一のハマり役はヘクトルだけだった気がするも
ヘクトルはどう転んでも生真面目なだけで
誰がどう脚色しようとも
それだけのつまらんキャラなのだとも言えるか?!

そう言えば
肝心のアキレウスの女装シーンが
見事にすっ飛ばされてたが
あのムキムキのブラピが女装したら
男だってバレバレなので
オデュッセウスの出る幕は無い・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

そもそも根本的に間違ってると思うのは
人間以外が一切排除されてるコトで
アキレウスの母親のテティス(海のニンフ)だけが
老いた人間の女性になって登場してて
テティスに任されてアキレウスを養育したのに
ケンタウロスのケイロンは登場せず
神々も一切出てこず・・・
いや、これって原典はギリシア神話なはずだが(-_-;)

そして世界一の美女であるはずの
トロイ戦争の要因となったヘレン(ヘレネ)は
可憐な美少女と言った風情で
この映画では完全に脇役になってて
その夫のメネラオスに至っては
兄アガメムノンと共に
単なるデブの悪漢キャラw

本来ならヘレンには9歳の娘がいて
少なくとも10年近くは夫婦って設定が
完璧に崩壊してる辺りが
よくもここまで軽薄な映画に仕上げられたと
ハリウッド映画の娯楽大作至上主義に
改めて心から嫌気が差したね

別次元でやはり名優だと感服したのは
トロイの王プリアモスに扮したピーター・オトゥールで
敵陣に息子の亡骸の返還を要求に行く場面では
不覚にも涙してしまった

古代ギリシア トロイ