Goats Head Soup

この1ヶ月ほどに誕生日が巡ってると山羊座=Capricorn(カプリコン)だが
英語の由来はラテン語のCapricornus(カプリコルヌス)だ

caper(山羊)とcornu(角)の合成語で
「角のある山羊」即ち「雄山羊」の意だが
ギリシア・ローマ神話における牧神の呼び名の1つだ

これと似た名前のイタメシ屋のカプリチョーザ(Capricciosa)は
店舗サイトによればイタリア語で「気まぐれ」の意だそう
伊語辞典で確認してみたらCapriccioには「浮気」なんて意味もあった
そしてグリコのカプリコ(Caplico)はスペルが違ったのだった

語源のカプリコルヌスに話を戻すと
カプリコルヌスがラテン語だってコトは
ギリシアでは別名なワケでAigipan(アイギパーン)だ
このAigiも「山羊」のコトだが
Pan(パーン、もしくはパン)は「牧神(牧羊神、半獣神とも)」で
ローマ神話では半獣神ファウヌスに相当するとしておこう

実際、パーンやファウヌスの他にも
パーンが年老いたシレノスだとか森の精霊サテュロスとか
似たり寄ったりの山羊由来の神やら精霊は色々いて
これらは頭部に山羊の角を持ってても上半身は人間らしくできてて
でも下半身はやっぱり山羊なのがデフォルトだ

ところが山羊座となると下半身は魚なのだな(゚Д゚)ハァ?

上半身が山羊で下半身が魚になった姿を憐れんでゼウスが星座にした
ってのが大まかな山羊座のエピソードの共通部分だが
そんな姿になったのは誰なのか、どうしてなのかの詳細は
ギリシア・ローマ神話的には異説・異論が多過ぎて
どれも信憑性に事欠くのだった(゚Д゚;)ハァア?

それでもあれこれ参照してくと
怪物テューポーン(テュポン、テュポエウス)が出現して
それに驚いて変身して逃げた姿らしいとわかり
代表的なエピソードを表にまとめてみた
提唱者比較挿話一覧表

それでもこれらの中で「山羊座の由来となった」と
はっきり明示してるのはヒュギーヌスだけで
まとめといてなんだけど
後からこじつけたようにしか思えなくなった。(´д`;)ギャボ

そもそも山羊男たる牧神だの半獣神だのは
一緒くたにされてたり混在してたりするのだが
パーンやファウヌスやサテュロスは
音楽や舞踊を好む宴会気質で酒呑みで好色と相場が決まってて
酒の神ディオニュソスやバッカスと縁が深く
そこに親しみを感じてしまうのは自分が酒呑みだから( *゚Д゚)つ[酒]


どんちゃん騒ぎや酒池肉林といった快楽に溺れるのは
一般的な見解からしても余りよろしくなかろうが
とりわけ敬虔なキリスト教信者にとっては
快楽に耽る=悪魔に魂を売るが如くに思えるようで
夜な夜な山野に集って宴会してる図を
キリスト教徒が悪魔と魔女のイメージに作り上げたのは
なんと巧妙なと感心するるる~

その宴会で山羊男と付き従う女たちの所業については
古くはエウリピデスのギリシア悲劇『バッカイ』にあるが・・・

だからサタンやバフォメットの姿が山羊男にそっくりなのだ

こうしてキリスト教徒の異教徒排除作戦により
山羊(男)=悪魔のイメージが定着し
またそれに比して【神の子羊】などとも言うのだが
イエス・キリスト自身も羊に譬えられてて
彼を信奉する者も羊になぞらえられ
『新約聖書』の「ヨハネの黙示録」に至っては
最後の審判の様子は次のようにある

羊飼いが羊と山羊とを分けるように、彼らをより分け、 羊を自分の右に、山羊を左に置きます

要するに信者(羊)と異教徒(山羊)を選り分けてるのだが
羊は天国へ昇れるが山羊は地獄へ落とされると断言。(゚д゚lll)ギャボ

表題の『山羊の頭のスープ』は
ローリング・ストーンズのアルバムのタイトルだが
キリスト教圏では山羊=悪魔、なので
悪魔の頭を煮出したスープ、なのかヽ(゚∀。)ノ

ミック・ジャガーは洒落ててカッコ゚+.(・∀・)゚+.゚イイ

ちなみにこのアルバム1曲目の「Dancing with Mr.D」
Mr.DってDevil?Daemon?

いや、もれなくディオニュソスだったり?!

もちろん山羊男はディオニュソスの従者であり
酒宴で音楽や舞踊を神に捧げるのだから
そこで演奏するのがストーンズならば自分は参加したいね(^^