『エステル』の原典も『アタリー』と同じく『旧約聖書』だが
こちらは目次に「エステル記」とあるので探す手間は不要
ペルシアの専制君主と美しい女奴隷の物語、てのが朧気な認識だったが
冒頭に首都がスサとあり・・・
アハシュエロスすなわちインドからエチオピヤまで127州を治めた
てのはアケメネス朝ペルシアの話で
確認するとアハシュエロス=クセルクセス1世だ。(゚д゚lll)ギャボ
慌ててヘロドトスの『歴史』を開いてみると
「エステル記」と同じエピソードは見つからなかったが
クセルクセスもアハシュエロスと似たようなコトをしてたので
同一人物である確証が持てた。(´д`;)ギャボ
『歴史』の下巻にある【巻9】で
クセルクセスは弟のマシステスの妻に横恋慕して
無碍にされたのでこの女自体は諦めたがその娘(名前は不明)を
息子ダレイオスに嫁すよう取り計らい
更に息子の嫁であるコトはお構いなしに
その娘を自身の愛人にしてしまう・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ
そこでクセルクセスは満足させてくれた娘に言う
「欲しいモノは何でも与えよう」と!
『旧約聖書』「エステル記」のアハシュエロスも
エステルに会う度にこう言う!!
「王妃エステルよ、あなたの求めることは何か。あなたの願いは何か。国の半ばでもあなたに与えよう。」
これだけで既に同一人物な気がしてきたが
ここでユダヤ人のエステルがアハシュエロスに請いたモノが凄まじい!
- ユダヤ人大量虐殺計画を企てた寵臣ハマンとその一族の処刑
- エステルの叔父モルデカイの手柄に対しての取立て
エステルがユダヤ人として
ユダヤ人大量虐殺計画の中止を請願するのまではわかるが
当の寵臣とその息子ら10人の処刑では飽き足らず
一族の占めて7万5千人の殺戮をユダヤ人が行う許可を求めたのだ!!
ちなみにエステルの叔父モルデカイの手柄とは
王の暗殺計画を看破したコト(゚Д゚)ハァ?
『旧約聖書』=ユダヤ教の教義では
ユダヤ人は神に選ばれた民族であるから
常にユダヤ人が正義で他民族が悪なのであり
ユダヤ人に危害を加え(ようとす)る者は容赦せず(゚Д゚;)ハァア?
なので、ユダヤ人であるエステルの行いは
ユダヤ人にとっては正義なのだヽ(゚∀。)ノ
現代日本人の第三者の立場から見ると
エステルこそが残忍酷薄に見えてしまうのだがね(苦笑)
それにしてもアハシュエロスも悪意は無いのだろうが
寵妃エステルの望みを叶えたいってだけで
言われるままに従って満足してて
正義も道理も憐憫の情もへったくれも無いな(-人-;)ナムアーメン
一方、ヘロドトスによればクセルクセスも
愛人となった息子ダレイオスの嫁に
誓言までして望みを叶えようとしたものの
欲したモノがエステルに比べたらたわいナイモノでありながら
禍の元凶となり得るモノだったので困惑した(゚*゚;)
それはクセルクセスが着てる上着だったが
正妻アメストリスの織ったモノだったのでね・・・
世の浮気男の常らしく、正妻には頭が上がらナイのだなw
それでもクセルクセスは愛人に上着を与えてしまい
そうと知って激怒した正妻は報復に出るが
その矛先は当の愛人ではなくその母親に向かった!
元はと言えばクセルクセスは母親の方にこそ横恋慕してたので
正妻にしてみれば待ちかねた復讐だったかもしれず
クセルクセスのお気に入りの愛人に傷をつければ
自身も不興を買ってしまうために母親の方にしたのか?!
いずれにしろ正妻による凄惨過ぎる仕打ちは
母親の身柄を自身に預けるようクセルクセスに掛け合うも
弟のマシステスの妻だったからか
兄としては勝手に身柄を拘束するワケには行かず
まずはマシステスに離別を申し渡した・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ
もちろんマシステスは離婚を受け入れようもなかったが
クセルクセスがそうして言い含めてる間に
マシステスの妻は既に制裁を受けてて
帰宅したマシステスが目にした妻は
乳房も鼻も耳も舌も切られてた・・・((((; ゜Д゜))) ガクガクブルブル
事態に激昂したマシステスは兵を挙げるも
クセルクセスに討ち取られるるる~
よく調べ物のために紐解く『旧約聖書』の中でも『歴史』の中でも
今までは引っかからなくて記憶に留めてなかった部分だったが
こうして改めて読んでみるとあんまりな話だな・・・バタリ ゙〓■●゙
ところで『旧約聖書』の「エステル記」では
アハシュエロスの正妻はワシテ(ヴァスチ)だったのだが
王の不興を買って王妃の位を剥奪されてしまい
そこへ代わって王妃の座についたのがエステルなのだ
この『歴史』でのクセルクセスの横恋慕から始まる一連の事件では
正妻は既にワシテではなくエステルなのではなかろうか?
いや、この報復の残虐ぶりはエステルに間違いなくね(-_-;)
クセルクセスの正妻アメストリス=エステル?!
名前の語感も似てなくもナイような・・・いや、似てるるる~