アキレウスの誕生

トロイ戦争の発端はアキレウスの両親の結婚式まで遡る

The Feast of Peleus, Edward Burne-Jones
エドワード・バーン=ジョーンズの「ペレウスの饗宴」

アキレウスの父ペレウスは人間であり
一方、母テティスは海の精(ニンフ)であり
テティスの父親であるネレウス(もしくはプロテウス)は
海の翁でなんとポントス(海洋)とゲー(大地)の子なので
テティスはこれら太古の神々の孫に相当する

アキレウスの家系図

だからテティスは古い神話に度々登場してて
その美貌でゼウスとポセイドンに望まれてもいたりして!

でもテティスは予言をされてたため
これにビビったゼウスもポセイドンもて退いたのだったヽ(゚∀。)ノ

その予言とは

産んだ子は父親より強くなる

というモノ

確かにペレウスより
息子のアキレウスの方が名を馳せたのだから
預言は的中したのだね

一応、ペレウスも英雄としての活躍があって
あのイアソンのアルゴ号の乗組員だったのだがね~

さて
アキレウスの両親の結婚式に話を戻すと
神々を招いて盛大に執り行われたが
この時に招待を受け損ねた争いの女神エリスは
宴たけなわなトコロで黄金の林檎を投げ入れて去ったのだった!!

The Feast of Peleus, Edward Burne-Jones

この林檎の争奪戦が女神たちの間で繰り広げられたのは

最も美しい方へ

とあったからだ。(゚д゚lll)ギャボ

林檎を最後まで譲らなかったのは3柱の女神

The Feast of Peleus, Edward Burne-Jones

ゼウスの妻ヘラ

軍神アテナ

美の女神アプロディテ

誰が最も美しいかの判定を最高神ゼウスに求めた。(´д`;)ギャボ

ところがゼウスはこの重責から逃れようと画策して
この任をトロイの王子パリスに転嫁・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

伝令の神ヘルメスが林檎持参で
女神らを伴ってイデ山にいたパリスの前に出現した

The Judgement of Paris, Peter Paul Rubens
ルーベンスの「パリスの審判」

驚いたのはまだ当時は自身が王子とはつゆ知らず
羊を追ってた捨て子のパリスだった

女神の中でもとりわけ美しい(と自負する)3柱が
目前に突如として現れるだけでも驚くが
ヘラは富と権力を
アテナは軍功と覇権を
アプロディテは世界一の美女を
要は賄賂だがそれぞれに提示しながら
黄金の林檎を渡すように迫ってきたのだから
それはもう驚愕を超えて恐怖だろう(苦笑)

結果的に林檎を得たのはアプロディテだったのだが
これが【パリスの審判】の全容だ

なので、この時点では間違いなく
アキレウスはまだ生まれてなかったはずだが
パリスは少なくともローティーンだろうと思われ

その後、テティスは男子を出産するが

息子は短命で戦場で死ぬ運命

なんて、また妙な予言をされてしまうΣ(゚д゚lll)ガーン

不憫な息子をなんとか不死の身にしようと
スティクス(三途の川)の水に浸した

異説には
身体中にアンブローシア(神の食物)を塗った
ペレウスより受け継いだ人間の部分を火で焼いた
なんてのもあるがね

どうであれ、その際に踵(アキレス腱辺り)だけは有効にならず
これも諸説ありで
テティスが踵を持ってたからそこだけ浸からなかったとか
あるいはうっかり忘れたなんてのもあるが
そんなワケでアキレウスは踵を射られて死ぬのだ・・・バタリ ゙〓■●゙

それにしてもテティスは陸での生活が無理だったのか
神々に祝福されて結婚した夫婦の1人息子なのに
まだ乳呑児の内にケンタウロスのケイロンに預けて
海へ帰ってしまうのだった(゚Д゚)ハァ?

実はケイロンは
ペレウスがテティスと結婚しようと猛アタックするのに
力を貸した人物・・・てか、ケンタウロスなのだが
それで結婚して子供ができたら
その赤ん坊を預かる羽目になるとはね
人が゚+.(・∀・)゚+.゚イイ・・・てか、ケンタウロスが゚+.(・∀・)゚+.゚イイw

ケンタウロスは上半身だけが人の容姿の半人半馬で
気性は粗野で猛々しいとされてるが
ケイロンは温厚な人柄・・・てか、ケンタウロス柄で
医術や予言術にも長けてたので
教育者としてはうってつけだったのもあるのかな?
乳の代わりに獅子や猪の臓腑と熊の髄で養育する辺りは
さすがケンタウロスってカンジだがね

それにしてもテティスは海に棲まうモノだから
人間の世界では暮らせぬ事情があるのかもしれなくても
ペレウスの方は結婚前のごたごたを解決せんがため奔走してて
息子と一緒に暮らすコトはなかったのはいかがなものか(゚Д゚;)ハァア?

アキレウスと名付けたのもケイロンだった
と記されてるコトもあるくらいで
アキレウスの人格形成の大部分を占めてるのは
ケイロンの養育によるモノだと思うのだp(-_-+)q

The Education of Achilles by Chiron, Pompeo Batoni, 1746
ポンぺオ・バトーニの「ケンタウロスによるアキレウスの教育」