ロシナンテとバビエカ

ドン・キホーテと言ったら
日本では年中無休24時間営業の
ディスカウントストアを思い起こすだろう

でも間違いなくセルバンテスの小説
『才智あふるる郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』の
主人公の名からとってるだろうと
ググってみたらしっかり由来してるようだった

しかしながら社員の中で
この長く退屈な小説を読破した兵(つわもの)は
果たしているのだろうか?

なんせ現代日本人にとって
意味不明な要素が盛りだくさんで
それらが話の腰を折るように
次から次へと割り込んでくるのだから
次のエピソードに辿り着くまで
緊張感を保てぬのだ。(´д`;)ギャボ

むしろその意味不明な部分にこそ
愉しみを見出す自分にはうってつけなはずだが
漲る滑稽さにドン引きしてしまう。(゚д゚lll)ギャボ

とりわけドン・キホーテの道化ぶりを
いかんせん、素直に笑えず(゚*゚;)

そもそも道化ってキャラクタには
おかしさより憐憫を感じてしまう性質で
そこがどうにも合わぬ(;つД`)

通読を試みるも初回は
前・後編のうち前編の半分ほどで挫折・・・バタリ ゙〓■●゙

2度目には前編の後半まで読めて
有名な風車のエピソードに辿り着いて

キタ――(゚∀゚)――!!

と安心して挫折・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ

そして3度目にやっと読破したのだが
四十路に程近くなって
人生の再構築をしてた時だった

毎日、編み物と読書と散歩ができて
たまに、能やバレエやオペラ鑑賞できたら
それだけで人生は至福だが
生きてくためには社会生活をせねばならず
仕事と家事と雑事で1日の半分以上が失われるので
幸せを感じるには寝る時間を減らすしかナイと
改めて痛感してた

ところがふとしたきっかけで
『ドン・キホーテ』を読み始めてみれば
主人公のドン・キホーテは
中年も程過ぎた冴えナイオッサンで
本から与えられた世界観を愉しんでた

自分もそこまでは一緒だが
現実の世界では社会生活を送るため
義務を淡々とこなすだけの
無味乾燥とした時間を費やしてて
そこに憤りを感じてた

しかしドン・キホーテは
本の中の夢のような世界観を
現実でも再現して愉しんでたので
何の憤りも感じるコトは無かったのだ

いつでもどこでも我武者羅に愉しんでて
それを皆が見て笑おうと怒ろうと
一向に気にせず

他人を面白がらせようとして
道化に徹するのは難しいが
己の信じるままに大真面目に生きてると
他人からは道化にも見えよう
そう見えたなら
大いに笑ってくれたまえ、みたいな?!

真摯な大らかさとでも言おうか?

お供のサンチョ・パンサも
いつも酷い目に遭う予感がして
ドン・キホーテに忠告しながらも
やっぱり予想通りの災難に遭い
でもそれを愉しんでるように思えてきたw

迷惑かけまくりのドン・キホーテだが
それは裏を返せば信頼の証で
サンチョ・パンサもそこを心得てるからか
心配しつつ愉快そうwww

自分も気力・体力ある内に
バカやって迷惑かけまくって
笑われとけば゚+.(・∀・)゚+.゚イイや♪

そう思ったら心が軽くなった

そして将来飼う犬の名前を
1匹はブケファラスと決めてたが
もう1匹はロシナンテにしようかな(*^^*)

ロシナンテと言う名は
ドン・キホーテの愛馬の名だが
何て意味でどうやって名付けられたか
そもそもそれが知りたくて再読したのだった

折りしも
ロレンス・スターンの『トリストラム・シャンディ』を
読み始めて第1巻の第10章めだったが
そこに産婆を救った牧師が乗ってた馬の話があり
またなぜそんな馬に乗ってるのかの説明で
その馬に例えられてるのがロシナンテだった

『ドン・キホーテ』には次のようにある

『さきの痩せ馬(ロシナンテ)』と呼ぼうと思いついたが、これは彼の見るところでは、気高く、口調もよく、しかも現在の身分になる前に駄馬(ロシン)だった身の上を現わしたばかりか世のあらゆる駄馬の中でまず筆頭だということをこよなく現わした名前だった。

自身のコトを
ドン・キホーテと名乗ろうと決めた
その一週間前に
先に馬の名がロシナンテと決まったのだが
馬に名付けるのには4日悩んで
自らの呼称には1週間「も」悩んだ、のかヽ(゚∀。)ノ

アレクサンドロス大帝のブケフェルスも、エル・シードのバビエカもてんで足もとにもよりつけないと思われた。

この一節に引っ掛かったのは
ブケフェルス(ブケファラス)はわかるが
バビエカには覚えが無かったからだ

映画『エル・シド』を観て確認したかったが
3時間以上かかる映画をじっくり観てる時間が取れず
本なら読めるだろうと
岩波文庫『エル・シードの歌』を買ったのだった

結果
エル・シードの愛馬はバビエーカ(バビエカ)だったが
スペルは Babieca で意味は「ばか」?!

というコトは
ロシナンテとバビエカの名は駄馬に馬鹿で
どちらも日本語だと馬の名らしく(?)
ちゃんと馬の字が入ってる(違w

しかしアレクサンドロス大王の愛馬
ブケファラスは確か牝牛を意味してたとか・・・
馬の名としてはダメじゃん(違www