映画『白痴』で原作に無い印象的なセリフ

The Idiot (1946)

ドストエフスキーは
昔、古本屋で見かける本には
ドストエーフスキイとあった

自分が生まれる前に刊行された
米川正夫訳の全集は「ドストエーフスキイ全集」で
河出書房新社から出てたが
岩波文庫もこの米川訳なので
未だにドストエーフスキイだったりするるる~

ドストエフスキーの5大長編と言えば
『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』
『悪霊』『未成年』そして『白痴』だが・・・

この『白痴』ってタイトルが
「はくち」で一発変換できなくなってるのは
現代では差別用語とされてるのもあってだろうか?

ドストエフスキーはむしろ
「(清らかに)美しい人」を描きたくて
その人物像を表す言葉として使ってるのだけど^^;

自分も『白痴』を読んでて
「白痴」と揶揄されるムイシュキン伯爵の
純朴な魂の美しさにしびれた口で
一目惚れだった・・・いや、見てはいなかったが(苦笑)

まだ21歳だった頃に
L.A.で寄り集まった友達の理想の彼氏を
自分が「減点パパ」形式で肖像画を描いたのだが
その時、最後に自分の理想の彼氏を描くのに
思い描いてたのはムイシュキン伯爵で
そんな人が万が一にも実在したとしたら
死力を尽くしても生涯護り抜こうなんて決意してたw

三波伸介の「減点パパ」は
昭和の人にしかわからんだろうが
顔のパーツを1つ1つ言うなりに描いてって
全体像を完成させる手法だ^^

それから30年以上が経過して
生まれる前に映画化されてた『白痴』を
この度、初めて観たのだが
ムイシュキン伯爵はジェラール・フィリップで
理想としてた以上に頗る美形だった・・・バタリ ゙〓■●゙

つい先月、神保町で古本屋巡りをしてて
ふと目に留まって購入したのが
ジェラール・フィリップのDVDだったのだが・・・

ファンファンの綽名の由来の『花咲ける騎士道』や
有名大作『赤と黒』や『パルムの僧院』
『肉体の悪魔』『モンパルナスの灯』など以外の
1つ1つ集めるのが大変そうな作品が
9作揃って¥1,800って買うしかなかろうて!!

ましてや『白痴』ですよ♡
青春時代に恋い焦がれてた
ムイシュキン伯爵なワケですよ・・・ホゥ(*-∀-)

しかし原作とは設定が変わってるというか
映画の尺に合わせるためであろう
登場人物が半分程に減ってて
かなりすっ飛ばしてるのは予想が付いたが
原作には無かった印象的なセリフが
映画ではストーリーの鍵になってたのだ

それがナスターシャ・フィリポヴナが
自身を雌鹿に譬えた台詞で
猟師に追い詰められた雌鹿は逃げ惑うが
「忠犬と良き人の狩人を無駄に消耗させず
運命に従うよう(=大人しく狩られろ)」
と狩りの神に諭されて観念した・・・と言うのだ

この台詞が彼女の最期に繋がるのだが
原作には無かった・・・はず?

いや、しかし大長編の一節なのだから
読んでも忘れてるかもしれず
なんせ読んだのは30年以上前なのだwww

米川訳を読み返すもその箇所が見つからず
しばらくもやもやしながらも
昨夜は遂に3度目の映画視聴に至り
原作から外れた映画を好まぬ自分ではあったが
これはこれでありだなと納得ヽ(゚∀。)ノ

それにしてもジェラール・フィリップが
規格外の美形なのは知ってたが
相手役の美女が2人ともタイプの違う美女で
どう転んでも美男美女で絵になってしまう古い洋画は
目の保養にぱ+.(・∀・)゚+.゚イイね

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