中公世界の名著

中公世界の名著【25/30】スピノザ ライプニッツ

スピノザとライプニッツ『天才の世紀』の哲学と社会〔下村寅太郎〕
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エティカ 幾何学的秩序によって証明された〔スピノザ / 工藤喜作、斎藤博訳〕
形而上学叙説〔ライプニッツ / 清水富雄、飯塚勝久訳〕
  1. 神の完全性について、神の行ないはすべてこのうえなく望ましいものであること
  2. 神の作品には善がないとか、善と美の規範は任意的なものであるとか主張する人々に反対して
  3. 神の行ないはいまよりもっと善くなることができたのではないかと思っている人々に反対して
  4. 神の愛は、われわれが神の行ないについて完全に満足し、承服することをもとめるが、だからといって静観主義者である必要はないこと
  5. 神の行ないが完全であるという規範はどこにあるか、また手段が単純で、結果が豊富であるからつりあいがとれていること
  6. 秩序にはずれるような神の行ないは一つもなく、規則的でないようなできごとは考えだすことさえも不可能である
  7. 奇跡は下位の準則には反するにしても、一般的秩序にはかなっていること。神の欲すること、神の許すことについて。一般的意志または特殊的意志について
  8. 神の作用と被造物の作用とを区別するために、個体的実体の概念がどのようなものであるかを明らかにする
  9. おのおのの個別的実体はそれなりに宇宙全体を表出していること。また、個別的実体の概念には、その実体のあらゆるできごとがふくまれているばかりでなく、できごとにともなういっさいの状況や外界の全系列もふくまれていること
  10. 実体形相という考え方は何かしっかりしたものをもっていること。しかし、この形相は現象になんの変化も与えないから、個々の結果を説明するために用いてはならないこと
  11. スコラと呼ばれる神学者や哲学者の省察をまったく無視してはならないこと
  12. 拡がりという概念は何か想像的なものをふくんでいて、物体の実体を構成することができないこと
  13. 各人の個体概念は、いずれその人に起こってくることを一度に全部ふくんでいるので、その概念をみれば、おのおののできごとの真理に関するア・プリオリな証明、あるいは、なぜあるできごとが起こって別のできごとが起こらなかったかという理由がわかる。しかし、これらの真理は神と被造物との自由意志にもとづいているから、確実ではあるが、やはり偶然性をまぬかれない。ところで、神の選択にも被造物の選択にも常に理由があるが、その理由というのは、傾向を与えるものであって強制するものではない
  14. 神は、宇宙にたいしそれぞれ異なる視点をとることによって、さまざまな実体を産みだす。しかも神の干渉によって、おのおのの実体はその固有の本性から、ある実体に起こることが他のすべての実体に起こることと対応するようになっており、たがいに直接作用しあうことはない
  15. ある有限な実体の、他の有限な実体にたいする作用というものは、神が実体相互の調和をはかっておくかぎり、その実体の表出度の増加と、他の実体の表出(度)の減少とが一つになったもののほかならない
  16. われわれの本質が表出するものには、神の異常な協力がふくまれている。なぜならば、この表出はすべてのものにおよんでいるからである。しかし、そうした神の協力は、有限でしかも一定の下位の準則に従っているわれわれの本性の力、すなわちわれわれの判明に表出する力を超越している
  17. 下位の準則すなわち自然法則の実例。それによって、デカルト派の人々やその他多くの人々にたいし、神は常に同一の力を保存しているのであって、同一の運動量を保存するのではないということが示される
  18. 力と運動量との区別は、とくに、「物体のさまざまな現象を説明するには、拡がりというものからはなれた形而上学的考察によらなければならない」と判断するうえに重要である
  19. 物理学における目的因の有効性
  20. プラトンの作品の中で、あまりにも唯物論的な哲学者に反対するソクラテスの注目すべきことは
  21. もし、力学の法則が幾何学だけに依存して形而上学を欠くとすれば、現象はまったくちがったものになるであろう
  22. 自然を機械的に説明する人々も、物質的でないものにたよる人々もともに満足させるために、目的因によるものと動力因によるものとの二つの方法を両立させること
  23. ふたたび物質的でない実体にもどり、神はどのようにして精神の悟性に作用するのか、また人は自分が考えているものの観念を常にもっているのかどうかを明らかにする
  24. 明確な認識とあいまいな認識、判明な認識と雑然とした認識、十全な認識(と十全でない認識)、直感的認識と過程的認識とは何か。名目的、実在的、因果的、本質的定義とは何か
  25. どんな場合に、われわれの認識が観念をくまなく観ることと結合されるか
  26. われわれは自己のうちにあらゆる観念をもっているということ、ならびにプラトンの想起説について
  27. どうしてわれわれの魂は空白な板にたとえることができるのか。また、どうしてわれわれの概念は感覚に由来するのか
  28. 神だけが、われわれの外に存在する「われわれの表象の直接的対象」であり、神だけがわれわれの光である
  29. とはいえ、われわれは直接われわれ自身の観念によって考えるのであって、神の観念によって考えるのではない
  30. 神はわれわれの魂に傾向を与えるだけで、強制することがないから、われわれは不平を言う権利を持たないこと。ユダはなぜ罪を犯したのかと問うのではなく、たんに、罪人ユダはなぜ他の可能な人々をさしおいてその存在を認められたのか、と問わなければならないこと。原罪以前の根源的な不完全性、および恩寵の程度について
  31. 選択・予見された信仰・中間の知識・絶対的決定などの動機について。それらすべては、なぜ神が恩寵と自由な行動の一定の系列をその概念の中にふくんでいるような、しかじかの可能的人物を選んで、その存在を認めたのかという理由に帰着すること。これによって、さまざまな困難がいっきょに解消する
  32. 篤信と宗教にたいするこれらの原理の有効性
  33. これまでの説明不可能とか考えられていた心身の結合の説明、ならびに雑然とした表象の起原の説明
  34. 精神とそのほかの実体、すなわち魂あるいは実体形相との相違について。われわれのもとめている不滅は記憶と重要なかかわりがあること
  35. 精神の優越、神は精神を他の被造物よりも重視していること。精神は世界よりもむしろ神を表出するが、そのほかの実体は神よりもむしろ世界を表出していること
  36. 神はすべての精神から構成されるもっとも完全な国家の君主であり、この神の国の幸福が神の主たる意図である
  37. イエス・キリストは人々に、天国の神秘とすばらしい律法を神を愛する人々に神が用意する無上の幸福の大いなることを明らかにした
モナドロジー〔ライプニッツ / 清水富雄、竹田篤司訳〕
小品集〔ライプニッツ / 清水富雄訳〕
対話事物とことばとの結合
位置解析について
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学問的精神について
事物の根本的起源
必然性と偶然性
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モナドについて
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