フェニキア(ポエニ)、カルタゴ
ゲルハルト・ヘルム フェニキア人―古代海洋民族の謎
フェニキア人―古代海洋民族の謎〔ゲルハルト・ヘルム / 関楠生訳〕
1.海に生きたベドウィン人
アレクサンドロスの先祖はテュロスからきた
- 無気味なフェニキア人
- 彼らの逃げ場は海だった
- 2000人がはりつけに
- 海もまた砂漠である
- シナイの孤独な男
- テレビンの木陰のお茶
- 彼らは世界の縁に生きていた
- シュメール人も税金を払った
- ピラミッドと鉄のカーテン
- ノアの孫、セム族
- 紅海からカナンへ
2.レバノン杉の森に接する都市
ナポレオン三世が発見させる
- 棺が口を利きはじめる
- ビュブロス―世界最古の都市?
- 暗闇からきた民族
- フェニキア人の祖、カナン人
- レバノン杉―聖なる木
- 世慣れた男の体験
3.インドゲルマン語族の登場
外交の手段としての魔法
- 民族移動の渦の中で
- ファラオの忠臣
- ラーメスとヒッタイト人
- フェニキア人が無作法になったとき
- パピュルスと亜麻布と靭皮製の鋼
- 謎のチュケル人
4.オデュッセウスとアキレウス―フェニキア人の祖先
カナンの航海者―せいぜいが筏師
- ディミトリ・パラムキが昔からの謎を解く
- ゴリアテはギリシア人だった?
- クレーティ人とプレーティ人、五幕の劇
- 海の民 + カナン人 = フェニキア人
5.彼らは人工の島に住んでいた
テュロス人の方が利口だった
- ビュブロスが追い抜かれる
- ヒラムが海沿いに都市をつくる
- 岩礁の住民
- 古代フェニキアの近代的技術
- 外洋航海の発明
6.バール子息商会の設立と興隆
「・・・スタイルのいい娘に常に興味を持って」
- エゼキエルが経済ルポを書く
- フェニキア人によるガラスの発明
- 紫は臭くない
- 「こうして、ぜいたくが資本主義を生んだ」
7.ソロモン王の商売
サンフニアトン事件―一つの詐欺
- シナイから、新しい民族
- ダビデがフェニキアの問題を解決する
- ソロモンがテュロスに手紙を書く
- フェニキア人がユダヤの神殿を建設する
- 聖書に称えられた金属細工師
- 王たちの謎解き競争
8.バールと息子たちとイスラエル
神秘に満ちたタルシシの船
- 「古代パレスチナのピッツバーグ」
- ユダヤ=フェニキアの銅トラスト
- 紅海岸は美しくはなかった
- ネゲブでの輸送問題
- ヤハウェは商売に反対だった
9.テュロスの娼婦
イゼベル―不当な断罪?
- 王の結婚の諸問題
- ヤハウェはやかましい神だった
- モーセはヘブライ語を話さなかった
- 「私は88回愛した」
- 世界は卵
- 神の命による売春
- モラルなど知ったことではない
- モロクとは誰だったのか?
- 宗教的な理由による殺人
- ヤハウェがバールを撃つ
10.レバノンから世界の果てへ
神々の座所テュロス
- フェニキアのマンハッタン
- 緑の楽園シドン
- 王はいたが、貴族はいなかった
- 銅のためにキュプロスへ
- すべては組織的に建設された
- 彼らはギリシア人よりもずっと前にきた
- フェニキア人がアメリカに?
- 一大帝国の建設
- アフリカをも周航
- 規則の例外、カルタゴ
11.黄金時代の週末
分割払いの衰退
- アッシリアに対抗した商人
- エサルハドンのきびしい手
- しかし、それからネブカドネザルがやってきた
- テュロスがんばる
- ペルシアの旗をかかげて
- フェニキア人がサラミスで敗れる
- 首都の建設
12.ギリシア人に称えられ、憎まれて
ホメロスからして彼らをきらった
- ヘロドトスにも悪口を言われる
- セム語の名、エウローペー
- フェニキア人がテーバイを建設する
- お手本が敵になる
- 女神のための狂宴
- レバノンの美少年
- ぶどう酒はハッシシのようだった
- ヘラクレスもテュロスからきた
- ギリシア文字は複雑すぎた
- アルファベットへの道
- 字母の発明
- フェニキア人―ギリシア人の教師
- 贈物が濫用される
13.カルタゴの興隆
ローマ人の目には陰気な民族
- 事は陰謀とともにはじまった
- 新しい都市をめぐる伝説
- 理想的な地形だが美しくはない
- ギリシアとカルタゴの競争
- エトルスク人はやはりトロイアからきた
- 地中海での世界大戦
14.フェニキア国民のポエニ帝国
カルタゴ人はこんなに敬虔だった
- きびしく規定された勤行
- 法官と元老院議員による統治
- 船はますます大きくなった
- 神秘のタルテッソス
- ハンノはカルメーンまで航海したか?
- 輸出品はとりわけ―いかもの
- 小さな楽園、チュニジアで
15.帝国はカルタゴに益なし
若いハンニバルの短い、栄光の生涯
- 二重に価値のある戦利品
- 神々に愛された独裁者
- もっとたびたび体を洗えばよかった
- シチリアに平和なし
- 火を吐く船
- 永久に沈黙した黄金の笛
- 砂漠横断2000キロ
- 大胆きわまるアガトクレス
16.しかしそれからローマがやってきた
歴史の風のかげでつかのまの幸福を
- 目立たぬイタリアの一都市
- 王座から突き落とされた海の女王
- シチリアでのゲリラ
- 電光と呼ばれた男
- 内戦と、それを扱った小説
- イベリ
フェニキア人とわれわれ
- 紫の国の哲学者
- すでにトペテの中にストア学派の立場が?
- 資本主義の揺籃、カルタゴ
- レヴァント人―新時代のフェニキア人
フェニキアへの招待
- レバノン
- キュプロス
- イスラエル
- チュニス
- サルディニア
訳者あとがき
紫陽花と紫陽花色の人
ビブロス(イシスとオシリス)『七つの愛の物語』より
赤地に黒でセンシティヴで流麗なライン
ビアズリーかハリー・クラークのようなイラスト
中心には黒地で金枠に金の文字


美しい装丁の施された『七つの愛の物語』は
エジプト神話の『イシスとオシリス』
シュメール(メソポタミア)神話の『イナンナとドゥムジ』
インド神話の『シヴァとサティー』
旧約聖書の「雅歌」
ギリシア神話(ラテン文学)の『プシュケーとエロース』
アラビア人(ペルシア人、セム族)の伝承『ライラーとマジュヌーン』
ロマンス(中世騎士物語)の『トリスタンとイゾルデ』
以上、タイトル通り7つの愛の物語を収録
その中で『トリスタンとイゾルデ』は他に何冊も持ってるくらいヲタだが
それでも飽き足らずに「トリスタンとイゾルデ」をググってたので
この『七つの愛の物語』を見つけた(のは2004年)
ギリシア神話もラテン文学もヲタなので
『プシュケーとエロース(アモルとプシュケ)』も
アプレイウスの『黄金の驢馬』の挿話としてよく知った話だった


その『黄金の驢馬』の最後に登場するのが
エジプト神話由来の夫婦(兄妹)神のイシスとオシリスなのだが
それまでは岩波文庫のプルタルコスの
『イシスとオシリスについて』でしか読んでおらず
この神話の内容はどうも朧気だった
プルタルコスはそう前置きしつつ
一応、あらすじを紹介してくれてはいるが
お得意の薀蓄を織り交ぜてくるので
話が横道に逸れまくるわ、1つの単語を深く掘り下げ過ぎるわ
そんなんで話の輪郭がさっぱり掴めんてヽ(゚∀。)ノ


しかもそうして全体のストーリーもはっきりわからぬワリには
違和感を感じて引っかかる箇所があって・・・
例えば
イシスの父親がヘルメスだとか。(´д`;)ギャボ
セト=テュポンとか
オシリス=ディオニュソスとか。(゚д゚lll)ギャボ
系譜の異説や異民族間でのすり替えは
神話ではよくあるコトだがねw
但し、プルタルコスの場合は
単に名前(の発音)が似てるからとかの全くのあてずっぽうでなく
由来が近似の神同士を結び付けてるので説得力はあるるる~
それと言うのもプルタルコスは古代ローマ人で
アポロンを祀るデルポイ神殿に仕える神官の職に就いてたが
古代ギリシアの哲学者のように自然哲学に対する考察力があったので
神と称される信奉の根源的存在を
一種の象徴と捉えて客観視してたからなのだ
それにしたってどうにも納得が行かぬのは
オシリスの棺が流れ着いたのがビブロスだったってコト!


ウェルギリウスの『アエネーイス』にしてもだが
フェニキア人の各都市の成立年代を
古代ローマ人は史実よりずっと古く設定してるのだ!!
恐らく古代ギリシア人のヘロドトスの『歴史』が
フェニキア人についての記述から始まってるせいで
誤解が生じてるのかと(-_-;)


エジプト創世神話の時代に既にビブロスが都市化してて
トロイ戦争の頃にはカルタゴが建国されてたなんて・・・バタリ ゙〓■●゙
いや、神話の中でなら1,000年のズレは気にならなくってよ?
でも人は100年も歳をとらずにはいられんて><
人類史が100年もズレてたら嘘になってしまうのだよ^^;
フェニキア人の史実を誤って神話に取り入れてしまったために
神話としても不確実性を露呈してしまってるのが
なんとも惜しい気がするのだ
(まあそもそも神話てのは不確かな話ではあるのだがね)


ゲルハルト・ヘルムの『フェニキア人』によれば
ビブロスの遺跡から紀元前4,500年頃の村落跡が発見されたそうで
確かに他のレバノン海岸沿いの都市と比して断然古い
しかしイシスが訪ねたような王宮となると
もちろん村落なんかではなくて
もっと都市化されてるはず=ずっと後の時代と想定できるだろう
またビブロスの呼称の由来からすると
『フェニキア人』に次のようにあるので・・・
つまりパピルスあってこその名称で
そう呼んだのが古代ギリシア人だったってコトは
古代ギリシア人がパピルスを使用し始めた時代以降の話になり
少なくとも紀元前1,200年頃までは粘土板に線文字だったのだから
それ以降に想定せねばなるまいて(゚*゚;)


対するイシスとオシリスの年代の古さだが
まず混沌からアトゥム=ラーが生じて
シュー(空気もしくは大気)とテフヌト(蒸気もしくは湿気)を産み
シューとテフヌトがゲブ(大地)とヌト(天空)を
ゲブとヌトがイシスとオシリスを産んだとされてるのだヽ(゚∀。)ノ
少なくともエジプト第1王朝より以前だとすると
紀元前3,000年頃より前・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ
ビブロスとのズレは別にしても
イシスとオシリスの寿命が1,000年以上とかで
それより前の世代はもっと億単位の年数を生きてたとすると
(そもそも神に寿命をあてがうのもなんだが・・・)
ゲブとヌトが生まれたのはその名の通りに大地と天空ができた時で
シューとテフヌトが生まれたのは地球ができた45億年前で
アトゥム=ラーが生まれたのはビッグ・バンとしたら
科学史とはある意味で辻褄が合ってるような?!
古代エジプト人が地球外生物かと疑われる所以は
この創世神話のせいかΣ(゚д゚lll)ガーン
ビアズリーかハリー・クラークのようなイラスト
中心には黒地で金枠に金の文字
美しい装丁の施された『七つの愛の物語』は
エジプト神話の『イシスとオシリス』
シュメール(メソポタミア)神話の『イナンナとドゥムジ』
インド神話の『シヴァとサティー』
旧約聖書の「雅歌」
ギリシア神話(ラテン文学)の『プシュケーとエロース』
アラビア人(ペルシア人、セム族)の伝承『ライラーとマジュヌーン』
ロマンス(中世騎士物語)の『トリスタンとイゾルデ』
以上、タイトル通り7つの愛の物語を収録
その中で『トリスタンとイゾルデ』は他に何冊も持ってるくらいヲタだが
それでも飽き足らずに「トリスタンとイゾルデ」をググってたので
この『七つの愛の物語』を見つけた(のは2004年)
ギリシア神話もラテン文学もヲタなので
『プシュケーとエロース(アモルとプシュケ)』も
アプレイウスの『黄金の驢馬』の挿話としてよく知った話だった
その『黄金の驢馬』の最後に登場するのが
エジプト神話由来の夫婦(兄妹)神のイシスとオシリスなのだが
それまでは岩波文庫のプルタルコスの
『イシスとオシリスについて』でしか読んでおらず
この神話の内容はどうも朧気だった
では、これから神話を物語りますが、できるだけ手短に、まったく無用の余計な部分は省略することにしましょう。
プルタルコスはそう前置きしつつ
一応、あらすじを紹介してくれてはいるが
お得意の薀蓄を織り交ぜてくるので
話が横道に逸れまくるわ、1つの単語を深く掘り下げ過ぎるわ
そんなんで話の輪郭がさっぱり掴めんてヽ(゚∀。)ノ
しかもそうして全体のストーリーもはっきりわからぬワリには
違和感を感じて引っかかる箇所があって・・・
例えば
イシスの父親がヘルメスだとか。(´д`;)ギャボ
セト=テュポンとか
オシリス=ディオニュソスとか。(゚д゚lll)ギャボ
系譜の異説や異民族間でのすり替えは
神話ではよくあるコトだがねw
但し、プルタルコスの場合は
単に名前(の発音)が似てるからとかの全くのあてずっぽうでなく
由来が近似の神同士を結び付けてるので説得力はあるるる~
それと言うのもプルタルコスは古代ローマ人で
アポロンを祀るデルポイ神殿に仕える神官の職に就いてたが
古代ギリシアの哲学者のように自然哲学に対する考察力があったので
神と称される信奉の根源的存在を
一種の象徴と捉えて客観視してたからなのだ
それにしたってどうにも納得が行かぬのは
オシリスの棺が流れ着いたのがビブロスだったってコト!
ウェルギリウスの『アエネーイス』にしてもだが
フェニキア人の各都市の成立年代を
古代ローマ人は史実よりずっと古く設定してるのだ!!
恐らく古代ギリシア人のヘロドトスの『歴史』が
フェニキア人についての記述から始まってるせいで
誤解が生じてるのかと(-_-;)
エジプト創世神話の時代に既にビブロスが都市化してて
トロイ戦争の頃にはカルタゴが建国されてたなんて・・・バタリ ゙〓■●゙
いや、神話の中でなら1,000年のズレは気にならなくってよ?
でも人は100年も歳をとらずにはいられんて><
人類史が100年もズレてたら嘘になってしまうのだよ^^;
フェニキア人の史実を誤って神話に取り入れてしまったために
神話としても不確実性を露呈してしまってるのが
なんとも惜しい気がするのだ
(まあそもそも神話てのは不確かな話ではあるのだがね)
ゲルハルト・ヘルムの『フェニキア人』によれば
ビブロスの遺跡から紀元前4,500年頃の村落跡が発見されたそうで
確かに他のレバノン海岸沿いの都市と比して断然古い
しかしイシスが訪ねたような王宮となると
もちろん村落なんかではなくて
もっと都市化されてるはず=ずっと後の時代と想定できるだろう
またビブロスの呼称の由来からすると
『フェニキア人』に次のようにあるので・・・
ブブロスあるいはビュブロスは単に、強大なフェニキアの共同体の名というだけでなく、また、パピルス、すなわち紙の原料を表わすギリシア語でもあったのだ。のちに、それからビブリオン、すなわち本という表現ができ、最後にルナンが集中的に研究していた聖書(ビブル)になった。
つまりパピルスあってこその名称で
そう呼んだのが古代ギリシア人だったってコトは
古代ギリシア人がパピルスを使用し始めた時代以降の話になり
少なくとも紀元前1,200年頃までは粘土板に線文字だったのだから
それ以降に想定せねばなるまいて(゚*゚;)
対するイシスとオシリスの年代の古さだが
まず混沌からアトゥム=ラーが生じて
シュー(空気もしくは大気)とテフヌト(蒸気もしくは湿気)を産み
シューとテフヌトがゲブ(大地)とヌト(天空)を
ゲブとヌトがイシスとオシリスを産んだとされてるのだヽ(゚∀。)ノ
少なくともエジプト第1王朝より以前だとすると
紀元前3,000年頃より前・・・ヾ(・_・;)ぉぃぉぃ
ビブロスとのズレは別にしても
イシスとオシリスの寿命が1,000年以上とかで
それより前の世代はもっと億単位の年数を生きてたとすると
(そもそも神に寿命をあてがうのもなんだが・・・)
ゲブとヌトが生まれたのはその名の通りに大地と天空ができた時で
シューとテフヌトが生まれたのは地球ができた45億年前で
アトゥム=ラーが生まれたのはビッグ・バンとしたら
科学史とはある意味で辻褄が合ってるような?!
古代エジプト人が地球外生物かと疑われる所以は
この創世神話のせいかΣ(゚д゚lll)ガーン