聖書、キリスト教、ユダヤ教、教会史
講談社現代新書 聖書VS.世界史
聖書 VS.世界史〔岡崎勝世〕
プロローグ
世界史年代表
【第1章】普遍史の成立
- [第1節]聖書の描く人物史
- 聖書の構成
- 人類史の第一期=ノアの大洪水まで
- 第二期=ユダ王国滅亡まで
- 第三期=四世界帝国の時代
- 「終末」とヨハネの黙示録
- 聖書の種類
- [第2節]キリスト教年代学と普遍史の成立
- キリスト教の成立
- エウセビオスとヒエロニムス
- カルデア人の古さの問題
- アッシリアの問題
- エジプト人の古さの問題
- アウグスティヌスの「神の国」
- 「第四の国」=ローマ帝国
- 古代的普遍史の集大成
- キリスト教擁護活動として
- 始点と終点のある時間
- 終末観と人類史6000年間の観念
- 三大陸からなる平円盤状の世界観
- 「化物世界誌」の継承
【第2章】中世における普遍史の展開
- [第1節]キリスト紀元の発生
- 種々の年号
- ディオニシウス・エクシグウス
- ディオニシウスの算定方法
- イングランド教会の役割
- キリスト紀元使用の一般化
- [第2節]中世における普遍史叙述
- ベーダの年代記
- ベーダの役割
- オットー・フォン・フライジングと中世的普遍史の完成
- 楕円ヨーロッパ
- オットーの使用した年号
- 12世紀を代表する世界史
- [第3節]中世の化物世界観と普遍史
- TO図
- ヘレフォード図による普遍史の図像化
- 化物世界誌
- イシドールス「語源論」の世界
- 東西交流の再開
- マルコ・ポーロ
- 化物世界誌にからめ取られた新情報
- マンデヴィルの「東方旅行記」
- 「カタロニア図」の世界
- 妖怪変化に満ちた世界
【第3章】普遍史の危機の時代
- [第1節]ルネサンスと普遍史の危機
- イタリア・ルネサンスとマキャベリ
- 「政治的世界」の発見
- 「人間の発見」
- 新しい歴史観
- エジプト史の亡霊
- ヘロドトスの描くエジプト史
- ディオドールスの描くエジプト史
- マネトの再生
- [第2節]宗教改革と普遍史の危機
- ヨハネス・スレイダヌス
- プロテスタントの代弁者として
- 聖書をめぐる議論の新時代
- 年代学論争と聖書の批判的研究の開始
- トマス・ホッブズ
- スピノザ
- リシャール・シモン
- [第3節]大航海時代と普遍史の危機
- コロンブスによる「人間」の発見
- 新大陸の認知
- メルカトルの世界図
- インディアンはアダムの子孫
- バリャドリの論戦
- モンテーニュ
- 様々なインディアン起源論
- アコスタのアジア起源説
- 危機を持ちこたえた普遍史
- [第4節]中国史の古さの問題と普遍史の危機
- ポルトガル人と中国
- イエズス会の中国布教
- メンドーサ「シナ大王国誌」
- マルティニ「中国古代史」
- パスカルと中国
- ライプニッツと中国
- フォシウスの問題提起
- ゲオルク・ホルンの解決策
- ホルンの後継者たち
- [第5節]科学革命と普遍史の危機
- ニュートンの世界史叙述
- 天文学による年代決定
- エジプト史の短縮
- 預言の研究
- プロテスタント的普遍史
- ニュートンの時間と世界
- アリウス派だったニュートン
- 歴史学における位置
- [第6節]年代学論争
- スカリゲル「時間修正論」と年代学の形成
- ユリウス周期
- スカリゲルの年号体系
- プロテスタントとカトリックの「時間」を巡る争い
- 「時間論の宝庫」とエジプトの問題
- ペタヴィウス
- アッシャー
- ボシュエ
- ペズロン
【第4章】普遍史から世界史へ
- [第1節]啓蒙主義的世界史の形成
- ヴォルテールによる歴史学のコペルニクス的転回
- ニュートン物理学的な時間
- 年号表記の問題
- 普遍史的世界の否定
- 中国の問題の意味の変化
- [第2節]普遍史の崩壊
- ケラーと「古典的三区分法」
- ガッテラーとゲッティンゲン学派
- 「普遍史序説」
- 「世界史」での変化
- 普遍史の自己の歩み
- シュレーツァーと世界史
- 創世紀元の否定
- キリスト紀元の自立と「古典的三区分法」
- 創世紀元の重み
- 聖書の批判的研究の新展開
- ミハエリス
【第5章】普遍史と万国史
- [第1節]「史畧」と「萬國史畧」
- 明治初期の世界史教育
- 紀元論、凡ソ四千年ノ頃ニ当リテ
- 「萬國史畧」の底本
- 「パーレー萬國史」の位置
- [第2節]明治政府と万国史
- 洋学の状況
- 精神構造の一致
エピローグ