トマス・アクィナス

講談社学術文庫 トマス・アクィナス

トマス・アクィナス〔稲垣良典〕
原本まえがき
I トマスの思想
  • はじめに――古都ローマで
  • 【1】日本におけるトマス
    1. 近世から戦前まで
    2. 戦後
    3. トマスと私
  • 【2】思想史におけるトマスの位置
    1. スコラ学
    2. トマスにおける神学と哲学
  • 【3】トマス思想の歴史的源泉
    1. 折衷か総合か
    2. 基本的態度の形成
  • 【4】「トマス的総合」
    1. 知恵の探求
    2. 時代的背景
II トマスの生涯
  • はじめに
  • 【1】幼少年時代
    1. 幼児期
    2. モンテ・カシーノ修道院
  • 【2】ナポリの大学とドミニコ会
    1. アリストテレスとの接触
    2. ドミニコ会員となる
    3. ケルン修学
  • 【3】第1回パリ大学時代
    1. 命題論集講師となる
    2. トマスと大学紛争
    3. 神学教授トマス
    4. 教授活動
    5. 形而上学の発展と宣教活動
  • 【4】イタリア遍歴
    1. ウルバヌス4世とトマス
    2. ギリシア神学の研究
    3. ローマ滞在
    4. ヴィテルボ滞在
  • 【5】第2回パリ大学時代
    1. パリへの旅
    2. 抗争下のパリ大学で
    3. トマスの修道生活弁護
    4. アヴェロエス派とトマス
    5. アウグスティヌス派とトマス
    6. 6.著作活動
  • 【6】トマスの晩期
    1. 思い出の町ナポリで
    2. 死の予感
    3. 最後の旅
III トマスの著作
≪1≫著作の分類と解説
  • はじめに
    1. 神学に関する総合的・体系的著作
    2. 討論
    3. 聖書註解
    4. アリストテレスおよびその他の権威ある著作の註解
    5. その他の小著作
≪2≫トマス著作集
  • はじめに
  • 【1】知恵の探求と真理の観照
    1. 知恵の探求
    2. 知恵の探求と遊び
    3. 真理観照と愛
  • 【2】信仰と理性
    1. 信仰と理性の問題
    2. 神学と哲学
  • 【3】「存在」の形而上学
    1. 「存在」への道
    2. 「存在するもの」の学としての形而上学
    3. 存在と本質
    4. 存在と分有
  • 【4】神と世界
    1. 神の存在
    2. 世界における完全性の段階
    3. 創造と世界の永遠性
  • 【5】真理・認識・言語
    1. 真理の概念
    2. 経験的認識
    3. 理論学の区分
    4. 認識と言語
  • 【6】善と美――超越的なものtranscendentiaの問題
    1. 「存在するもの」と「善」
    2. 美の観念
  • 【7】人間論――情念と習慣
    1. 情念としての愛
    2. 愛とねたみ
    3. 習慣の必要性
    4. 習慣の原因
  • 【8】倫理的行為
    1. 人間的行為と目的
    2. 至福の概念(1)
    3. 至福の概念(2)
    4. 意志性voluntariumと自由libertas(1)
    5. 意志性と自由(2)
    6. 自由と悪
  • 【9】法・政治論
    1. 法の概念
    2. 自然法と実定法
    3. 正義の概念
    4. 政体論
  • 【10】信・望・愛
IV トマスとトミズムの歴史
  • 【1】トマス没後50年
    1. 直接の弟子たち
    2. トマスの「革新」をめぐって
  • 【2】近世初期におけるトミズム
    1. 中世末期のトミズム
    2. 近代初頭におけるトミズムの復興
  • 【3】19世紀の再興および現代トミズム
    1. 19世紀のトミズム再生
    2. 現代とトミズムの諸相
  • おわりに――トマスと現代思想
学術文庫版あとがき
文献案内
トマス・アクィナス年表
索引